先日、コクヨ株式会社様の東京ショールームにて新商品と最新のワークプレイスの提案を見学してきました。今回の見学では、家具そのものだけではなく、どんな働き方や価値観を実現するためなのか言う視点が非常に強く感じられました。見学を通して改めて感じたのは、家具は働くための重要な道具であり、カルチャーは日々の動作の積み重ねで育まれるということです。その視点で今回紹介されていた新商品を見ると、どれも人の動き・気持ち・コミュニケーションに対して、とても繊細にデザインされていると感じました。
今回は特に印象に残った3つの新製品と、働き方を体感できる空間提案エリアについてご紹介します。
1. コクヨ東京ショールームの概要
アクセス:JR品川駅 港南口より徒歩約3分
営業時間:平日 9:00~17:00(最終入館 16:30)
休館日:土日祝日、年末年始、夏季休業日、および改装工事期間(不定期)
2. ingCloud(イングクラウド):雲に座るような“まとう”チェア

ショールームの中でも、ひときわ印象に残ったのが新感覚タスクチェアー 「ingCloud(イングクラウド)」 でした。実際に座った時の感覚を一言で表すなら、「雲の上にそのまま浮かんでいるような心地よさ」です。まるで身体の一部になるようなフィット感がある為、長時間の作業でも座り過ぎによる身体的負担が軽減されます。
ingCloudには、3Dハンモックメッシュ構造が採用されています。座面と背面が一体となって身体をやわらかく受け止め、支えるというより包み込む感覚に近い印象です。座った瞬間から、椅子がこちらの体重や重心に合わせて自然に形を変えてフィットするので、自分が椅子に合わせる感覚がありません。
さらに、ingCloudは トリプルグライディング機能 によって、身体の小さな動きにも追従して椅子全体がなめらかに動きます。
- ・前に少し身をのり出す時
- ・深く座りなおす時
- ・腰をひねる時
- ・思考中に身体がわずかに揺れる時
そのすべての無意識の動きを止めずに、自然に受け入れてくれます。「姿勢を固定させない」ことで、逆に身体の負担が少ないという考え方が軸になっているように感じました。
3. Ascend(アセンド):ワークシーンに寄り添う昇降デスク

次にご紹介したいのは、座り姿勢と立ち姿勢を自在に切り替えられる、昇降デスク「Ascend(アセンド)」です。働き方の変化に合わせて「集中する」「相談する」「リフレッシュする」といった、個人とチームの状態の切り替えをスムーズに行えるようにデザインされています。特に印象に残ったのが「台形の天板が選べる」という点でした。四角い天板ではどうしても「向かい合う」配置になりがちですが、台形の天板だと視線や距離感が自然に柔らかくなるのが利点です。
実際に座ってみると、話しかけやすいのに、踏み込みすぎないという、「ちょっと相談したいときにちょうどいい距離感」がつくれる形状だと感じました。ショールームでは台形の天板を蜂の巣のように並べたハニカムレイアウトが展示されていて、チーム内にほどよくつながりや軽い会話が生まれる空気が印象的でした。
さらに、デスクの周囲にパネルを足すと集中ブースにもなるため、「周りとつながりながらも、自分の時間に入りたい」ときにはほどよいこもり感をつくることができます。
機能面では、机の下の大容量の配線ダクトもとても良かったです。電源タップや大きめのアダプタ、USB-C給電など最近の環境にちゃんと対応していて、ケーブルが散らからないのでデスクの見た目と作業性がどちらも損なわれないつくりになっていました。
※なお本商品は2026年4月の発売を予定しています。
4. Opt(オプト):空間に溶け込むマルチテーブル
Opt(オプト) は、働き方の変化に柔軟に対応する、空間に溶け込むデザインと、ワークに必要な機能を集約したマルチテーブルです。最大のポイントは、天板中央にある24㎜のスリットです。作業スペースが広く確保できるのはもちろん見た目もすっきりとしているので、洗練された印象に繋がるなと感じました。
5. 空間提案:DAYS OFFICE(デイズ オフィス) スタイル

今回のショールームの中に、多様化するワーカーの価値観に寄り添い、それぞれが自分にとって心地よい「働く時間」を選べることを目指したDAYS OFFICE(デイズ オフィス)の空間提案が展開されていました。
空間の中心にはビッグカウンターを起点としたラウンジ空間が広がっており、そこを境に、個人での作業も、ちょっとした打合せも、カジュアルな雑談も、自然と同じ場所で発生していくようなつくりになっています。ビッグカウンター自体が「交流の主役」というより、むしろ人が集まりやすい“空気の流れ”をつくるハブとして機能している印象でした。
周囲には、カフェのように気軽に腰掛けられる席や、それぞれが自分のペースで作業できるスモールテーブルが配置されていて、「一人で集中しながら、必要なときはすぐ会話に参加できる」というオープンでやわらかい距離感が空間全体に生まれていました。
空間そのものが、「一緒にいてもいいし、話してもいい」そんな心理的な敷居の低さをつくり出していることが、DAYS OFFICE の大きな魅力だと感じました。
6. おわりに
今回の見学を通じて得られた気づきや学びは、私たちが日々お客様にご提案している働き方から考えるオフィスづくりにも大きく活かせるものでした。家具単体の選定ではなく、そこで生まれる体験やコミュニケーションまでを含めて空間をデザインすることの重要性を改めて実感する機会となりました。
今後も、こうした最新の事例や知見を踏まえながら、お客様にとってより価値のあるワークプレイスづくりをサポートしてまいります。
なお、コクヨ東京ショールームは事前予約制で、弊社のお客様もご案内可能です。実際に空間を体感してみたい方、家具の使い心地を試したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の業務内容やワークスタイルに合わせて、最適な見学のご案内やオフィスづくりのご相談を承ります。次回のレポートもお楽しみに。
