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会社の住所変更の届出マニュアル|法人の引っ越しの流れと必要な手続きを徹底解説

会社の住所変更の届出マニュアル|法人の引っ越しの流れと必要な手続きを徹底解説
オフィス移転が決まったものの「何から手を付ければよいのか分からない」と感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。

移転には物件選びや内装工事に加え、各種手続きや社内外への周知など、対応すべき項目が多くあります。そのため全体の流れを把握しておかないと、手続きの漏れやスケジュールの遅れにつながることがあるため注意が必要です。

本記事では、オフィス移転に必要な準備や手続きの流れを整理し、スムーズに進めるためのポイントを解説します。事前に全体像を把握することで、無理のない計画を立てやすくなるでしょう。

【この記事で分かること】
  • ・オフィス移転に必要なスケジュールの全体像
  • ・優先して進めたい手続きの考え方
  • ・実務で押さえておきたい準備と注意点

【移転前】法人の住所変更前に向けて準備すべき5つのステップ

法人の引っ越しは、個人の引っ越しと比べて規模が大きく、準備に時間を要する点が特徴です。一般的には、物件選定や工事、各種手続きなどを含め、8カ月程度の準備期間が必要といわれています。

また移転には、内装工事や行政手続き、取引先への周知など多くの工程が関係します。段階的に進めることで負担を分散でき、スケジュール管理もしやすくなるでしょう。

移転前に押さえておきたい基本のステップを解説します。

1.現オフィスの解約予告とスケジュール確認

移転準備の最初のステップとして、現オフィスの解約条件を確認することが重要です。賃貸借契約書を確認し、解約予告期間や通知方法を把握しておく必要があります。

解約通知は管理会社やオーナーに対して行い、退去日までに原状回復工事を完了させる必要があるのが一般的です。工事期間も考慮してスケジュールを組まないと、想定外の調整が必要になることがあるため注意しましょう。

また解約予告期間を過ぎると、追加費用が発生する可能性もあります。早めに確認しておくことで、余裕を持った移転計画を立てられます。

2.新オフィスの物件探しと内装・レイアウト設計

新オフィスの選定では、通勤のしやすさや広さ、賃料、周辺環境などを総合的に検討することが大切です。自社の働き方に合った条件を整理しておくと、物件選びを進めやすくなります。

物件が決まった後は、内装やレイアウトの設計を行います。業務内容に応じてスペースを配置することで、働きやすい環境づくりにつながるでしょう。レイアウトは業務効率やコミュニケーションに影響するため、全体のバランスを見ながら整えることがポイントです。

3.引っ越し業者や関連業者の選定

オフィス移転では、引っ越し業者だけではなく複数の専門業者が関わります。そのため、早い段階で業者選定を進めることが重要です。

まずは複数の引っ越し業者に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討します。その上で、自社の条件に合う業者を選ぶと良いでしょう。

また以下のような業者の手配も必要になる場合があります。

内装工事業者
設備工事業者
原状回復工事業者

一括対応の可否や不用品の回収の有無も確認しておくと、移転作業を効率的に進めやすくなります。

4.取引先・顧客への移転案内と社内周知

移転に伴う情報共有は、業務の継続性を保つ上で欠かせません。取引先や顧客に対しては、新住所や電話番号、休業期間などを事前に案内しておくと安心です。

案内の時期は、移転の1〜2カ月前を目安にすると余裕を持って対応できます。早めに周知することで、問い合わせやトラブルの発生を防ぎやすくなるでしょう。

社内では、移転の目的や役割分担、当日のスケジュールをまとめたマニュアルを共有することも大切です。事前に周知しておくことで、移転当日の混乱を抑えやすくなります。

5.荷造りと不用品の計画的な処分

移転準備の後半では、荷造りと不用品の整理を進めましょう。備品や機材は破損を防ぐため、適切に梱包することが重要です。

段ボールには中身や部署名、新オフィスでの設置場所を記載しておくと、荷解きの作業を効率化できます。移転後の配置を想定しながら整理するとスムーズです。

また引っ越しは、不要な物品を見直す機会にもなるでしょう。産業廃棄物として処分するものやリサイクル可能なものを整理し、計画的に進めることが大切です。

【移転後】会社の住所変更後に行うべきこと

【移転後】会社の住所変更後に行うべきこと ここからは、オフィス移転後に行う主な作業について解説します。

旧オフィスの原状回復工事

旧オフィスの退去に当たっては、契約内容に基づき原状回復工事を行う必要があります。解約日までに工事を完了させる必要があるため、スケジュール管理が重要です。

工事が間に合わない場合、追加費用が発生する可能性があります。範囲は契約内容によって異なるため、移転前の段階で、工事範囲や期間を確認しておくとトラブル防止につながります。

新オフィスの環境整備

移転後は、業務をスムーズに再開するための環境整備を進めましょう。まずは荷解きを行い、不要となった梱包資材の処分を進めます。

併せて、電話やインターネットなどのネットワーク環境を整備しましょう。また電気・ガス・水道といったライフラインの手続きも重要です。日数を要することもあるため、余裕を持って準備しておくと良いでしょう。

住所変更届の手続きを行う

会社の住所が変更されると、複数の機関で手続きが必要になります。

手続きが遅れると、書類の不備や業務上の支障につながる可能性があるため、必要な手続きを事前に整理し、計画的に進めることが大切です。

会社の住所変更をする際の各種手続き一覧

会社の住所変更をする際の各種手続き一覧 会社の住所を変更する場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。提出先や期限は手続きごとに異なるため、しっかりと整理しておきましょう。

法務局|本店移転登記・支店移転登記

会社の本店(本社)が住所変更する際は、法務局での本店移転登記を優先して進めることが重要です。株式会社の変更登記は、本店所在地において原則2週間以内に申請する必要があります。

登記後に取得する登記事項証明書は、税務署や年金事務所など他の手続きでも求められることが多いためです。支店の住所変更がある場合は、支店所在地の変更登記が必要になるケースもあります。

登記を怠ると、登記懈怠として過料の対象となる可能性があるため、早めに準備を進めましょう。

※参考

01 管轄内移転・管轄外移転で異なる手続きと費用
本店移転登記は、同じ法務局の管轄内で移転するか、管轄外へ移転するかで手続きが異なります。

管轄内移転では、旧本店所在地を管轄する法務局へ申請し、登録免許税は3万円[A5.1]です。一方で管轄外移転では、旧所在地分と新所在地分の登記が必要で、登録免許税は合計6万円[A6.1]かかります。また新しい登記所へ提出する印鑑届書や印鑑カードの再発行も行います。

※参考

02 代表者住所が変わる場合の変更登記
会社の移転に伴って代表者の自宅住所が変わる場合は、その変更登記も行いましょう。株式会社の代表取締役や合同会社の代表社員は、住所が登記事項となるためです。

この場合も、原則として変更から2週間以内の申請が基本です。本店移転登記と同時に進められることもあるため、まとめて確認しておくと手戻りを防げるでしょう。

登録免許税は、役員等に関する事項の変更登記として原則3万円、資本金1億円以下の会社では1万円です。

※参考

税務署・自治体|税務関連の届出

会社の住所変更に伴う税務手続きは、国税と地方税で提出先が分かれます。国税は税務署、地方税は都道府県税事務所や市区町村が窓口です。

税務署には、法人の所在地変更などがあった場合に異動事項に関する届出を異動後速やかに提出します。従業員を雇用している場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を移転日から1カ月以内に提出しましょう。

地方税の法人異動届は、自治体ごとに様式や提出期限が異なるので注意が必要です。管轄をまたぐ移転では旧所在地と新所在地の双方に届出が必要になる場合があります。

※参考

年金事務所|社会保険関連の所在地変更

社会保険に加入している事業所は、所在地変更後に「健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」を提出します。

提出時期は、管轄内・管轄外いずれの場合も事実発生から5日以内です。管轄が変わる場合は、変更前の所在地を管轄する年金事務所へ提出します。

※参考

労働基準監督署・ハローワーク|労働保険・雇用保険の手続き

従業員を雇用している場合は、労働保険と雇用保険の両方で所在地変更の手続きが必要です。いずれも、変更日の翌日から10日以内に行います。

まず、労働保険の「労働保険名称、所在地等変更届」を変更後の住所を管轄する労働基準監督署へ提出します。続いて、雇用保険の「雇用保険事業主事業所各種変更届」を移転先の管轄をするハローワークへ提出しましょう。雇用保険の手続きでは、労働基準監督署で受け取った変更届の控えと、登記事項証明書などの書類が必要になることがあります。

※参考

消防署|防火対象物関連の工事・使用開始届出

新しいオフィスを使用し始める場合や、内装工事を行う場合は、消防署への届出が必要です。東京消防庁では「防火対象物使用開始届出書」は使用開始の7日前まで、「防火対象物工事等計画届出書」は工事着手の7日前までの提出を案内しています。

また一定規模以上の事務所では、防火管理者の選任や「消防計画作成(変更)届出」が必要になる場合があります。事務所用途では、建物全体の収容人員50人以上が一つの目安です。

必要な届出は、建物の用途や規模、工事内容によって変わるため、移転先を管轄する消防署へ事前に確認しておきましょう。

※参考

警察署・運輸支局|社用車の車庫証明・車検証変更

法人名義の社用車がある場合は、住所変更に伴って車両関係の手続きも必要です。使用の本拠が変わる場合は、まず移転先を管轄する警察署で車庫証明の申請を行うのが一般的です。

その後、運輸支局で車検証の住所変更や変更登録を行います。車検証の記載事項変更は、変更があった日から15日以内が目安です。

※参考

郵便局|郵便物の転居届

旧住所宛ての郵便物を新オフィスで受け取るには、郵便局へ転居届を提出します。転送期間は、転送開始希望日からではなく、届出日から1年間です。

手続きは窓口の他、ポスト投函やインターネットで行えます。転送開始希望日を指定できるため、移転前に手続きを済ませておくことも可能です。

※参考

金融機関・クレジットカードの登録情報変更

法人口座や法人クレジットカードの登録情報は、住所変更が決まり次第、早めに変更しておくことが重要です。これらは日々の入出金や決済業務に関わるため、変更手続きが遅れると業務に影響が出る可能性があります。

手続きでは、一般的に以下のような書類の提出を求められることがあります。

登記事項証明書
届出印
印鑑証明書
通帳やキャッシュカード
本人確認書類

ただし、必要書類や手続き方法は金融機関やカード会社ごとに異なります。手続き完了までに日数を要することもあるため、移転前から準備を進めておくと良いでしょう。

建設業・派遣業など各種許認可の変更手続き

建設業や労働者派遣事業など、許認可を受けて事業を行っている場合は、住所変更に伴う届出や変更申請が必要です。提出先や期限、必要書類は業種や管轄行政庁によって異なるため、事前の確認が欠かせません。

自社が保有している許認可をあらかじめ整理し、各管轄の手引きや窓口で確認しながら進めることが重要です。

※参考

まとめ

法人の住所変更には、移転登記や各行政機関への届出など、多くの専門的な手続きが伴います。特に本店移転登記は原則として2週間以内に申請する必要があり、期限管理が重要なポイントです。

移転準備は、一般的に8カ月前を目安に進めると、余裕を持って対応しやすくなります。物件選定や内装レイアウト、設備工事、原状回復、社内外への周知など、担当者の負担は想像以上に大きくなりがちです。あらかじめ全体像を把握しておくことで、手続きの漏れや手戻りを防ぎやすくなるでしょう。

弊社では、失敗しにくい移転スケジュールや、移転時に押さえておきたい基本的な確認事項、行政手続きをまとめた「移転チェックリスト」もご用意しています。移転準備を整理しながら進めたい場合は、こうした資料を活用することで実務を進めやすくなるでしょう。自社に合った移転の進め方を検討している場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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