
オフィスカフェを導入する際、単におしゃれな空間をつくるだけでは本来の効果を最大限に引き出すことはできません。社員が自然と集まり、交流やアイデアが生まれる場にするためには、「デザイン性」と「機能性」の両立を意識した計画が欠かせません。
たとえば、利用シーンを踏まえた動線設計や、過ごしやすさを左右する家具・照明の選定、企業らしさを反映する空間演出など、細部までの工夫が求められます。さらに、毎日利用する場所だからこそ、メンテナンス性や運用面のしやすさといった実用性にも目を向ける必要があります。
この章では、オフィスカフェを“見た目が良いだけの場所”で終わらせず、企業にとって価値ある空間に育てるために押さえておきたいデザインのポイントと注意点を、具体的な視点から解説します。次に挙げるような基本要素を意識することで、より実用的で魅力的なオフィスカフェが実現できるでしょう。
人が集まりやすい場所に設置する
設計する際にまず意識したいのが、「人が自然と集まる場所」に配置するという考え方です。せっかくおしゃれな空間をつくっても、オフィスの端や動線から外れた場所にあると利用頻度が下がり、十分に活用されないケースも少なくありません。
理想的なのは、執務スペースやエントランス、会議室など、社員の行き来が多いエリアとつながる位置に設けることです。日常的な移動の途中でふらっと立ち寄れるような場所にあれば、「ちょっとコーヒーを飲もう」「休憩がてら雑談しよう」といった自然な利用が促されます。
また、部署やチームの垣根を越えた交流を生み出したい場合は、特定の部門の近くではなく「オフィスの中心」に配置するのも効果的です。共用通路や受付付近に面していれば、来客対応やちょっとした打ち合わせの場としても活用でき、スペースの価値がさらに高まります。
オフィスカフェは、ただ設置すれば機能するものではありません。「人の流れ」を読み解き、社員が集まる導線上に計画することで、自然とコミュニケーションが生まれ、企業文化を醸成する場へと成長していきます。
給排水・電源設備を効率的に配置する
快適で使いやすい空間にするためには、デザインやインテリアと同じくらい「給排水」と「電源設備」の計画が重要です。
特に、コーヒーマシンやシンク、冷蔵庫などの設置を考えている場合、水道設備の有無によってレイアウトや機能性が大きく変わります。後から配管工事を行うとコストや工期がかさむため、設計初期の段階から設備計画を立てておくことが理想的です。
給排水設備は、既存の配管位置や床下スペースとの関係を踏まえて配置を検討すると効率的です。オフィスの水回り(給湯室・トイレなど)に近い場所にカフェを設けると、工事の負担を抑えながら機能性の高い空間をつくることができます。
また、電源についても、コーヒーメーカーや電子レンジ、パソコンなど使用機器を想定したうえで、十分なコンセント数や容量を確保しておくことが大切です。さらに、将来的な設備追加にも対応できるよう、余裕を持った電源・配管計画を立てておくと安心です。
見た目のデザインだけでなく、こうしたインフラの整備が整ってこそ、ストレスなく使える「本当に機能するオフィスカフェ」が実現します。
目的に応じた家具・インテリアを選定する
オフィスカフェをつくる際は、空間の雰囲気づくりだけでなく「どのような目的で使うのか」に合わせて家具・インテリアを選定することが重要です。単なる休憩スペースとして利用するのか、打ち合わせやイベントなど多目的な活用を想定するのかによって、必要な家具やレイアウトは大きく異なります。
たとえば、リフレッシュや雑談の場が中心なら、ソファやロースツールなど、座り心地の良さを重視した家具が効果的です。一方で、軽いミーティングや共同作業も視野に入れる場合は、立ち座りがしやすいハイテーブルや移動可能なチェアを配置すると、さまざまなシーンに柔軟に対応できます。グループ利用と個人利用の両方を想定し、ベンチ席やカウンター席など多様な座席タイプを組み合わせるのもおすすめです。
また、木目やファブリックといった素材感、照明・観葉植物・アートなどの装飾にこだわることで、「カフェらしさ」や企業らしい雰囲気を演出できます。
さらに、私たちのオンラインショップ
「オフィス空間オンライン」では、カフェエリアに最適なダイニングチェアやテーブル、オフィスアクセサリーなども幅広く取り揃えています。空間づくりの際は、ぜひこうしたアイテムも活用しながら、機能性とデザイン性を両立させた理想のオフィスカフェを実現してください。