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工事区分とは? A工事・B工事・C工事の違いや注意点、費用を抑えるコツを徹底解説

工事区分とは? A工事・B工事・C工事の違いや注意点、費用を抑えるコツを徹底解説
オフィス移転やレイアウト変更を進める中で「A工事・B工事・C工事」の違いが分からず困っている方も多いのではないでしょうか。工事区分を正しく理解していないと、想定外の費用が発生したり、施工スケジュールが遅れたりする可能性があります。あらかじめ工事区分の考え方を把握しておけば、トラブルを未然に防げるでしょう。

本記事では、A工事・B工事・C工事の違いや注意点、費用を抑えるための具体的な工夫など、オフィスの移転や改装などの際に知っておきたい内容を分かりやすく解説します。

【この記事で分かること】
  • ・A工事・B工事・C工事の違いと判断基準
  • ・工事区分ごとの注意点とトラブル回避のポイント
  • ・B工事・C工事の費用を抑える具体的な方法

工事区分とは?

オフィス移転や店舗改装を進めるに当たり、押さえておきたいのが「工事区分」です。

これは法律で一律に定められたものではなく、物件ごとの契約や運用ルールによって扱いが異なります。まずは基本的な考え方を整理していきましょう。

工事区分を分ける4つの要素

工事区分は、単純に工事内容で決まるものではありません。主に次の4つの要素によって、A工事・B工事・C工事の3つに分類されます。

誰が業者を指定するか
誰が発注するか
誰が費用を負担するか
工事の対象範囲はどこか

これらの組み合わせによって役割や責任の所在が異なります。まずは「誰が何を決めるか」という視点で整理すると、各工事区分の違いを理解しやすくなるでしょう。

工事区分を理解する重要性

工事区分を正しく理解しないまま計画を進めると、想定外の費用やスケジュールの遅延が発生する可能性があります。特にB工事では、見積もり内容の認識違いによってコストが膨らむケースも見られます。

このようなトラブルを防ぐためには、事前に貸方基準書や工事区分表を確認することが重要です。貸主と借主の認識をすり合わせておくことで、不要な追加工事や手戻りを防げるでしょう。

コスト管理や工程管理に直結する重要な判断材料となるため、早い段階で整理しておくと安心です。

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A工事・B工事・C工事の違い

A工事・B工事・C工事の違い 工事区分にはA工事・B工事・C工事の3種類があります。それぞれ費用負担者発注者工事の対象範囲が異なる点が特徴です。

ここからは、各区分の内容を整理していきましょう。

A工事とは?

A工事とは、建物のオーナー(貸主)が費用を負担し、オーナーが指定した業者によって実施される工事です。主に建物の構造や共用部分を対象とし、資産価値の維持や安全性の確保を目的としています。

この工事で設置・修繕された設備の所有権はオーナーに帰属します。そのため、テナントが直接発注したり費用を負担したりすることはありません。

対象となる工事内容
A工事に該当する主な内容

A工事は建物全体に影響する部分を対象とするため、オーナーが管理する必要があります。先述の通り、主に構造や共用設備など、建物の基盤に関わる工事が該当します。 具体的には以下のような内容が含まれます。

● 外壁・屋上・躯体などの構造部分の工事
● エントランスや廊下、階段など共用部分の改修・修繕
● 消防設備、給排水設備、空調設備、電気配線などの基幹設備工事
● 内装を撤去し、建物を骨組みだけの状態に戻すスケルトン工事

なお実際には、物件ごとに貸方基準書で定められるため、対象となる工事内容の事前確認が欠かせません。

B工事とは?

B工事とは、テナント(借主)が費用を負担しつつ、オーナーが指定した業者が施工する工事です。主にテナントの専有部分で行われますが、建物全体の機能や安全性、資産価値に影響を与える可能性がある工事が対象となるため、業者の選定権はオーナーが持ちます。

テナントは業者を自由に選べないため、相見積もりによる価格競争が起きにくく、費用が高額になりやすい傾向にあります。

対象となる工事内容
B工事に該当する主な内容

B工事には、建物の設備を中心としたさまざまな工事が含まれます。 代表的な工事内容は以下の通りです。

● 空調設備の設置・改修
● 分電盤の設置やコンセント増設、照明設備の追加や変更などの電気設備工事
● 火災報知器やスプリンクラーの設置・移設などの防災設備工事
● 専有部内のトイレやキッチンの給排水設備
● フィットネスジムのシャワー設置に伴う防水工事

これらは建物全体のインフラに関わるため、専有部の工事であっても影響範囲が広い点が特徴です。A工事と同様に、どのような内容がB工事に当たるかの判断は貸方基準書に基づくため、事前確認が重要となります。

C工事とは?

C工事とは、テナントが自ら業者を選定・発注する工事です。工事費用もテナントが負担します。専有部分内で実施されますが、B工事と異なり建物全体に影響を与えない範囲の工事が対象となります。

業者を自由に選べるため、複数社の見積もりを比較しながら、コストやデザインを調整しやすい点が特徴です。またC工事で設置した内装や設備の所有権はテナントに帰属します。

ただし、完全に自由に工事を進められるわけではありません。管理規約に基づき、オーナーの承認を得てから着工する必要があります。

対象となる工事内容
C工事に該当する主な内容

C工事の内容は、テナントの専有部分における内装の施工や設備の設置が対象です。 主な工事内容は以下の通りです。

● 壁紙の張り替えや床材の変更などの内装の仕上げ工事
● オフィス家具の搬入・設置、造作家具の工事
● 電話回線やLAN配線などの配線工事
● OA機器の設置
● テナントが希望した照明器具の追加・変更
● 会社名や各部屋の案内表示などのサインの設置

内装やレイアウトに関わる工事が中心となるため、テナント側で仕様を決めやすく、デザインや働き方に応じて柔軟に計画しやすい点が特徴です。

なお繰り返しになりますが、実際の工事内容は、物件ごとに貸方基準書などで定めるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

工事区分ごとに注意したいポイント

工事区分はそれぞれ特徴や進め方が異なり、事前の確認が不足するとトラブルにつながる可能性があります。円滑に計画を進めるためにも、区分別の注意点を把握しておくことが重要です。

A工事・B工事・C工事それぞれの確認すべきポイントを整理します。

A工事の場合

A工事は、先述の通りオーナー負担で実施されます。しかし、テナント側も確認すべきポイントがあるため注意しましょう。特に既存設備の扱いは見落とされやすいため注意が必要です。

専有部分はB工事またはC工事に分類されるのが一般的ですが、入居時から設置されている空調や照明はA工事の対象となる場合があります。この場合、修繕や更新の費用負担は契約内容によって異なる場合があるため、賃貸借契約書や工事区分表の確認が欠かせません。不具合や使いにくさがある箇所は契約前に相談することで、A工事として対応してもらえる可能性があります。

エレベーターやトイレなど共用部の工事では、使用制限や騒音が発生することもあるため、従業員や来客への事前周知も重要です。

B工事の場合

B工事はトラブルが発生しやすい区分のため、慎重な確認が求められます。特にスケジュールと費用に関するリスクを把握しておくことが重要です。

関係者が多く調整に時間がかかるため、着工の遅れや工期の延長が発生する可能性があります。そのため移転計画では、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

またテナント負担で設置した設備であっても、所有権がオーナーに帰属するケースが多く、退去時に原状回復義務が生じることがあります。さらに、先述の通り指定業者による施工となるため、相見積もりが難しく、費用が高くなる傾向も見られます。

C工事の場合

C工事はテナント主導で進められるため柔軟性が高い一方、事前確認を怠ると手戻りが発生しやすい点に注意が必要です。

まず、工事に当たっては管理規約や建物の工事ルールを確認し、オーナーや管理会社の承認を得る必要があります。

またC工事として計画していても、建物全体の空調や防災設備に関わる変更が含まれるとB工事と判断される場合があります。B工事は、先述の通り指定業者での施工が必要となるため、C工事よりも費用が増える可能性があります。 デザインを優先する場合でも、早い段階でオーナーや管理会社に確認しておくことで、後戻りを防げるでしょう。

工事区分ごとの費用目安

工事区分ごとの費用目安 工事区分ごとに費用の考え方は大きく異なります。

先述の通り、A工事はオーナーが全額負担するため、テナント側の費用負担は発生しません。B工事は坪単価40万円程度が目安とされ、指定業者による施工のため価格競争が起きにくく、割高になる傾向にあります。

C工事は、一般的な工事の場合、坪単価10万〜40万円程度が目安です。テナントが業者を選定できるため、コスト調整が可能です。ただし仕様やデザインへのこだわり度合いや仕様のグレード、近年の資材高騰などにより、B工事の目安を上回るケースもあります。

B工事とC工事の費用は、単純に金額だけで比較するのではなく、役割や自由度の違いによって費用構造が異なる点に注意が必要です。

B工事・C工事の費用を抑えるコツ

テナントの費用負担が発生するB工事・C工事は、計画次第でコストに大きな差が生まれます。ここでは、費用を抑えるコツを区分ごとに紹介します。

B工事の場合

繰り返しになりますが、B工事は指定業者による施工のため費用が高くなりやすい傾向にあります。ただし内容を見直すことで、コストを抑えられる可能性があるでしょう。

まず重要なのは見積もりの精査です。本来A工事やC工事に該当する内容が含まれていないかを確認し、必要に応じて区分変更の交渉を行います。

また設計の工夫も有効です。例えば固定の間仕切りではなく、家具扱いとなるパーテーションやワークブースを活用することで、B工事そのものを減らせる場合があります。

さらにスプリンクラー増設が不要なレイアウトにする、電気配線を減らす設計にするなど、設備工事を抑える工夫も検討すると良いでしょう。どの工事区分に該当するかがコストに直結するため、計画段階での判断が重要です。

C工事の場合

C工事は業者を自由に選定できるため、コスト削減の手法を取り入れやすい区分です。ただし自由度が高い分、適切な判断が求められます。

まずは複数の業者から見積もりを取得し、価格だけではなく内容や対応力も比較することが重要です。またデザイン設計と施工を別々の業者に依頼するのではなく、一貫して請け負う業者に依頼することで、打ち合わせや工期を短縮し、結果として予算が削減できる場合があります。

加えて、工事内容に優先順位をつけ、不要な工事がないかを見直すことも効果的です。中古家具の活用や一部をDIYで仕上げることもコスト削減につながります。

さらに繁忙期を避けたスケジュールの設定や、きるだけ工期を抑えられる計画をすることにより、人件費の抑制が期待できるケースもあります。

まとめ

オフィス移転やレイアウト変更時における工事区分は、誰が業者を指定するか誰が発注するか誰が費用を負担するか工事の対象範囲はどこかという4つの観点によって、A工事・B工事・C工事に分けられます。

工事区分をしっかりと把握しておくことで、不要な費用の発生や認識のズレによるトラブルを防げるでしょう。ただし実際の判断は契約条件や物件ごとに異なるため、工事区分の見極めや、オーナー側との調整・交渉などを自社だけで行うのは簡単ではありません。

スムーズな工事を実現するためには、専門的な知見を持つ業者の活用も有効です。私たちオフィス空間では、工事区分の整理からレイアウト設計・内装・設備・通信工事など、理想のオフィス環境を整えるためのさまざまなサポートをしています。

オフィスの移転やレイアウト変更をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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