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グループアドレスとは?フリーアドレスとの違いやオフィスに導入する流れとメリットを解説

グループアドレスとは?フリーアドレスとの違いやオフィスに導入する流れとメリットを解説
働き方改革が進む現代において、オフィス環境に対する関心は高まるばかりです。特に、オフィスレイアウトや座席の自由度は、社員の働きやすさや生産性に大きく影響すると考えられています。

そんな中、注目を集めているのが「グループアドレス」という新しいオフィス運用方法です。

この記事では、グループアドレスの基本的な考え方から、導入によるメリット、導入する際のポイントまで詳しく解説します。また、記事の後半では実際の導入事例も紹介しますので、気になる方はぜひ最後までお読みください。

グループアドレスとは

グループアドレスとは、部署やチームごとにエリアを区切り、社員がそのエリア内で自由に席を選んで働く働き方のことです。

従来の固定席とは異なり、毎日違う人と隣り合わせになることで、自然と様々な人とのコミュニケーションが生まれ、プロジェクトチームのメンバーが集まりやすくなります。また、エリアを定期的に変更することで、他の部署の人とも気軽に交流でき、新しいアイデアが生まれるきっかけも増えます。

この働き方は、チームの一体感を高め、仕事のパフォーマンスを向上させる効果が期待できます。特に、リモートワークの普及によりオフィススペースを縮小している企業にとっては、限られたスペースを有効活用できる優れた方法と言えるでしょう。

グループアドレスとフリーアドレスの違い

グループアドレスとフリーアドレスはどちらも固定席を持たない働き方ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。

●フリーアドレスの特徴
フリーアドレスは、オフィス内の全ての席を自由に選べる働き方です。社員の気分や業務内容に合わせて働く場所を選べるため、満足度向上や新しいアイデアの創出に繋がることが期待されます。
しかし一方で、社員がバラバラに座ることで、部署やチーム間の情報共有が滞り、チームワークが低下する可能性があります。また、人気の席の確保が難しいことでストレスを感じる社員もいるかもしれません。

●グループアドレスの特徴
グループアドレスは、フリーアドレスの課題を解決するために考案された働き方です。部署やチームごとにエリアを区切り、その範囲内で自由に席を選べます。

【メリット】
  •  ・チーム内のコミュニケーションや情報共有が円滑になります。
  •  ・チームの一体感や連帯感を高める効果が期待できます。
  •  ・フリーアドレスに比べて導入ハードルが低く、初期費用や運用コストを抑えられます。

このように、グループアドレスは、フリーアドレスの柔軟性を持ちながら、チームワークの重要性も両立させた働き方と言えます。フリーアドレスの導入が難しい企業や、特定のチームの連携を強化したい企業にとって有効な選択肢です。

どちらの働き方が最適かは、オフィスの特性や企業のニーズによって異なります。それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、自社に合った働き方を選ぶことが重要です。

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今さら聞けないフリーアドレスオフィスとは?メリット・デメリットと成功の秘訣を解説

グループアドレスをオフィスに導入するメリット

グループアドレスをオフィスに導入するメリット
グループアドレスをオフィスに導入することで様々なメリットが得られます。
ここでは、代表的な6つのメリットについて解説していきます。

社員のマネジメントがしやすい

まず一つ目のメリットは、グループアドレスは社員のマネジメントがしやすいことです。

従来のフリーアドレスでは、社員がオフィス内の好きな席を自由に選べるため、上司は部下の離席や遅刻に気づきにくく、勤怠管理が難しいという課題がありました。また、チームでプロジェクトを進める際、メンバーの所在を把握するのが難しいため、進捗状況の確認に時間がかかり、業務の遅延につながることもありました。

一方、グループアドレスでは、部署やチームごとに社員がまとまるため、以下のメリットがあります。

●状況把握とリアルタイムなコミュニケーション

上司は部下の状況を把握しやすく、すぐにコミュニケーションが取れるため、プロジェクト進捗の確認やフィードバックがスムーズに行え、業務効率が向上します。

●業務負荷の分散

各社員の業務量が可視化されることで、特定の社員への業務集中を防ぎ、働き方のバランスを整えられます。

これらのメリットにより、グループアドレスは業務効率を高め、生産性向上に貢献します。

フリーアドレスよりも導入ハードルが低い

グループアドレスは、フリーアドレスに比べて導入しやすい点も大きなメリットの一つです。

フリーアドレスは、柔軟な働き方を可能にする一方で、メンバー間のコミュニケーション不足や、上司による部下の管理の難しさといった課題も指摘されています。また、固定席を持たないという新しい働き方に、抵抗を感じる社員も少なくありません。

一方、グループアドレスには以下のメリットがあります。

●社員の抵抗感が少ない

部署やチームごとにエリアを区切るため、既存のオフィス環境と大きく変わらず、社員は安心して働けます。特定のエリア内での自由度を保ちつつ、基本的なレイアウト変更が少ないため、スムーズな導入が可能です。

●低コスト・短期間での導入

オフィス全体のレイアウトを大幅に変更する必要がないため、導入にかかる費用や時間を抑えられます。

このように、グループアドレスは社員の心理的な負担を軽減しつつ、柔軟な働き方を実現する効果的な手段と言えるでしょう。

運用の自由度が高い

3つ目のメリットは、グループアドレスは部署単位で柔軟な運用ができることです。

フリーアドレスが全社一律のルールを必要とするのに対し、グループアドレスでは、部署ごとの特性や業務内容に合わせて最適な運用が可能です。

●部署ごとのルール設定

定例会議の頻度や新入社員の座席配置など、各部署のニーズに合わせて独自のルールを設定し、チーム内で話し合いながら最適な働き方を見つけられます。

●状況に応じた座席変更

プロジェクトの進捗やチームメンバーの増減など、状況の変化に合わせて部署内で自由に座席配置を変更でき、常に最適な環境で業務を進められます。

全社一律のルールに縛られることなく、各部署が自律的に最適な働き方を追求できる点が、グループアドレスの大きなメリットの一つです。

部署内の連携が取りやすい

4つ目のメリットとして挙げられるのは、グループアドレスは、フリーアドレスよりもチーム間の連携強化に優れている点です。

フリーアドレスでは、社員が毎日異なる席に座るため、メンバー同士が顔を合わせる機会が少なく、自然なコミュニケーションが生まれにくいという課題があります。オンラインツールでの情報共有も有効ですが、対面での会話に比べると、伝えたいニュアンスやアイデアを正確に共有するのが難しい場合があります。

一方、グループアドレスには以下のメリットがあります。

●自然なコミュニケーションの促進

チームメンバーが同じエリアに集まることで、日常的に顔を合わせる機会が増え、自然な会話が生まれやすくなります。

●円滑な情報共有と連携強化

日常的な対面コミュニケーションにより情報共有が円滑に行われ、チーム全体の連携が強化されます。

●チームの一体感の醸成

同じ空間を共有することで、チームとしての一体感が高まりやすくなります。

このように、グループアドレスは、チームメンバー間の連携を深め、一体感を育む上で非常に効果的な働き方と言えるでしょう。

人材育成がしやすい

人材不足が深刻化する中、新入社員の育成は企業の喫緊の課題です。適切な育成がなされなければ、新入社員は成長を感じられず、早期離職につながる可能性があります。

フリーアドレスでは、席が固定されていないため、新人社員が気軽に相談できる相手を見つけにくく、孤立してしまう可能性があります。特に「誰に何を質問すればいいか分からない」という状況は、新人の不安を増大させ、成長を妨げる要因となります。

一方、グループアドレスは、新入社員の育成において以下のメリットがあります。

●質問・相談がしやすい環境

部署内の社員が同じエリアに集まるため、新入社員は先輩社員に気軽に質問や相談ができます。これにより、新入社員はスムーズに業務を習得し、組織に貢献できるようになります。

●上司によるサポートの強化

上司は新入社員の成長を間近で見守ることができ、必要な指導やサポートを提供しやすくなります。

このように、グループアドレスは新入社員が安心して仕事に取り組める環境を整え、組織全体の活性化にも繋がります。

レイアウト変更をスムーズに行える

グループアドレスをオフィスに導入する6つ目のメリットは、オフィスレイアウトの柔軟性が高まる点です。

フリーアドレスやグループアドレスでは、個人の荷物はロッカーに収納するため、デスクは引き出しやワゴンが不要なシンプルなデザインになります。さらに、キャスター付きデスクの導入により、レイアウト変更が格段にスムーズになります。

部署異動やプロジェクト発足、感染症対策など、オフィス環境は常に変化します。キャスター付きデスクであれば、これらの状況に迅速に対応し、最適なレイアウトを簡単に構築できます。グループアドレスでは特定のエリア内で座席配置が自由なため、チーム構成やプロジェクト進捗に合わせてデスクを簡単に動かせ、業務効率化と社員の働きやすい環境を実現できます。

グループアドレスをオフィスに導入する流れ

グループアドレスをオフィスに導入する流れ
グループアドレスを導入するにはどういった手順が必要でしょうか?
実際に導入するには、目的の設定からレイアウトの検討、運用のルール作りまで、スムーズな導入に向けて、事前にしっかりと計画を立てておくことが重要です。

ここでは、グループアドレス導入のための4つの手順を解説していきます。

導入の目的を共有する

グループアドレスを導入する最初のステップは、その目的を全社員に共有することです。
この新しい働き方は社員にとって大きな変化となるため、事前に導入の目的を明確にして共有することで、混乱や抵抗を減らし、スムーズな移行を促しましょう。

具体的には、「コミュニケーションの活性化」や「生産性の向上」といった目標を提示することで、社員は導入の意義を理解しやすくなります。さらに、「仕事の相談がしやすくなる」「残業時間が減る」など、社員自身の働き方がどう改善されるかを具体的に伝えることで、導入への理解と協力を得やすくなります。

また、アンケートなどで社員の意見を聞くことも大切です。不安や期待を引き出し、その意見を反映させることで、社員は新しい働き方に主体的に取り組むようになり、導入がよりスムーズに進むでしょう。

対象となる部署、座席数を決める

次に、対象となる部署と必要な座席数を決めていきましょう。

全社一律で導入するのではなく、部署の特性に合わせて検討することが重要です。例えば、外出の多い営業部門にはグループアドレスが向いていますが、書類を扱うことの多い経理部門では固定席の方が効率的な場合もあります。

対象部署が決まったら、現在の在席率を調査して必要な座席数を算出します。時間帯や曜日ごとの在席率を把握することで、無駄なスペースを削減し、最適なオフィスレイアウトを設計できます。
複数の部署で導入する場合は、ミーティングスペースの利用方法や個人ロッカーの配置など、各部署の特性に合わせた柔軟な運用ルールを設定することが大切です。

レイアウトを検討する

座席数が決まったら、次にレイアウトを検討しましょう。

グループアドレスでは社員が自由に席を選ぶため、柔軟なレイアウトが求められます。キャスター付きデスクやロングデスクなど、移動や配置換えがしやすい家具を選び、個人ブースやWeb会議用ブースといった多様な働き方に対応できるスペースを設けるのがおすすめです。

また、社員が私物を収納できる個人ロッカーの設置も検討が必要です。デスク周りをすっきりさせ、集中して仕事に取り組めるよう、業務の流れや動線を考慮してロッカーを配置しましょう。

レイアウト設計は単に家具を配置するだけでなく、社員が快適に働き、業務効率を向上させるための環境づくりです。オフィス全体の動線や、チームごとのコミュニケーションを促進するようなレイアウトを心がけましょう。

運用ルールを決める

グループアドレス導入の最終ステップは、明確な運用ルールを策定することです。

まずは、運用ルールをマニュアル化し、全社員に周知徹底しましょう。マニュアルには、オフィスや管理ツールの使い方、席の選び方、私物の保管場所など、具体的なルールを明記します。
不明な点がないよう、説明会を開催するのも効果的です。質疑応答の時間を取り、社員からの質問に丁寧に答えることで、不安を解消し、スムーズな導入を促します。

導入の目的を再度周知することも大切です。なぜグループアドレスを導入するのか、社員一人ひとりに理解してもらうことで、新しい働き方への抵抗感を減らし、協力的な姿勢を引き出すことができます。また、導入時期も早めに全社員に共有し、スムーズな移行準備を進めましょう。

運用ルールは、一度定めたら終わりではありません。定期的に見直しを行い、社員からのフィードバックを参考に、より良い働き方ができるよう改善していきましょう。

グループアドレスをオフィスに導入する際の注意点

グループアドレスをオフィスに導入する際の注意点
グループアドレスを導入する際には、以下の3つの注意点をしっかりと考慮し、スムーズな導入を目指しましょう。

導入目的の周知

グループアドレスを導入する際、社員がその目的を十分に理解していないまま進めてしまうと、社内にスムーズに浸透しません。「手間がかかる」「面倒だ」といったネガティブな印象が先行し、せっかくの取り組みが効果を発揮できない可能性があります。
事前に説明会を開催したり、わかりやすいマニュアルを配布したりすることで、社員に導入の背景やメリットを丁寧に説明しましょう。

席が固定化しないように対策

グループアドレスを導入しても、仲の良い同僚同士でいつも同じ席に座ったり、窓際や静かな場所といった人気の席が固定化してしまうことがあります。これでは、実質的に固定席と変わらない状態となり、導入の効果が半減してしまいます。
この問題の対策として、例えば、毎回ランダムに席を決めるシステムを導入したり、どこに座っても仕事に集中できるようなオフィス環境を整備したりすることが有効です。

社員の適応をサポートする

新しい働き方にスムーズに移行するには、ある程度の時間がかかることがあります。社員が新しいシステムや環境に慣れるまで、丁寧なサポート体制を整えることが重要です。
定期的にフィードバックを収集し、その内容に基づいて運用ルールやオフィス環境を柔軟に調整することで、より快適で生産性の高い働き方を提供することができます。

グループアドレスをオフィスに導入し成功させるポイント

グループアドレスをオフィスに導入し成功させるポイント
グループアドレスをオフィスに導入し成功させるためには、いくつかのポイントがあります。以下の3つのポイントを押さえ、効率的で効果的なオフィス環境を実現しましょう。

相性を検討し、適時ルールを見直す

グループアドレスを導入する際は、導入予定の部署・チームの特性に合っているかを慎重に検討することが大切です。チームワークを重視し、活発なコミュニケーションが求められる部署では、グループアドレスは非常に有効な働き方です。細かい運用ルールは、各部署やチームの状況に合わせて柔軟に設定したり、定期的に見直したりすることで、より効果的な運用が可能になります。

ペーパーレス化を推進して個人の所有物を減らす

グループアドレスを導入する際には、ペーパーレス化を同時に進めることが重要です。社員が大量の書類を持ち運ぶ必要がなくなることで、書類の紛失や情報漏洩のリスクを大幅に減らすことができます。また、ペーパーレス化により書類の管理が容易になり、快適に働ける環境が整います。

ICT環境の見直しをする

グループアドレスを成功させるためには、ICT環境の見直しが欠かせません。特に、固定電話を廃止し、クラウドフォンを導入することで、働き方は大きく変わります。例えば、「SPICA」のようなクラウドフォンシステムを導入すれば、デスク周りの配線がすっきりし、どこにいても電話対応が可能になります。これにより、席を固定する必要がなくなり、より自由な働き方が実現できます。

また、オフィス内のWi-Fi環境を強化することも重要です。オフィス内のどこでも快適に仕事をするためには、安定した高速なWi-Fi環境が不可欠です。これらのICT環境を整えることで、社員は生産性を高めながら、快適に働くことができるようになります。

<オフィス空間のICTサービスについてはこちら>

グループアドレスの導入事例

オフィス空間で導入支援させていただいたグループアドレスの導入事例を紹介します。

グループアドレス導入事例

グループアドレスの導入事例
株式会社トゥモロー・ネット様の新オフィスでは、社員がのびのびと楽しく業務に取り組める空間をコンセプトにご提案いたしました。既存のスケルトン天井を生かし、ガラスをふんだんに使用することで、開放感あふれる明るい空間を実現しました。

また、グループアドレスを導入し、執務室には一続きのデスクを配置。これをグループごとに分けることで、チームワークを促進し、社員同士のコミュニケーションが活発化するような環境を整えました。社員が快適に過ごせる空間を提供することで、業務効率の向上と社員の満足度を高め、より活気あふれるオフィスへと生まれ変わりました。

<株式会社トゥモロー・ネット様の施工事例を詳しく見る>

まとめ

グループアドレスは、部署やチームごとにエリアを区切り、その中で自由に座席を選べる働き方です。フリーアドレスと比べて導入のハードルが低く、社員のマネジメントやチーム間の連携がしやすいという特徴があるため、従来の固定席から一歩踏み出した働き方を試したい企業にも最適です。運用の自由度が高く、状況の変化にも柔軟に対応できるため、効率的で快適なオフィス環境を実現することができます。

グループアドレスを成功させるためには、導入前の準備が大切です。目的を明確にし、社員への丁寧な説明会やアンケートの実施を通じて、理解を深めましょう。また、対象となる部署や人数、座席数などを慎重に検討し、最適なレイアウトを設計することで、より効果的な運用が可能です。導入後も、定期的に運用ルールを見直し、社員からのフィードバックを参考に改善していくことが重要です。

グループアドレスは、多くの企業で注目されている働き方改革の一つの手段です。
この記事で紹介したポイントを参考に、自社の状況に合った最適なオフィス環境を構築してみてください。
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